2009年10月22日木曜日

改めて、経験も必要だが、理論も理解しておく。

現場の仕事では色々な作業を経験することがあるが、それが実際にどんな意味を持っているのか、「知っている」のと「知らない」のでは大きく違う。これは、広く一般常識として知られていると思うが、実際には
「経験重視」の考え方に偏っていると思う。意味を知らなくても、経験していればいいのだ。
確かに、資格だけ持っていて、実際の現場では役に立たないと言うこともよく聞く話だし、自分も持っているだけの資格というのがある。きっと現場では役に立たないだろう。
やはり経験は大事である。

ある時期、社会人になった後で学校に通っていたとき、毎日交代で講義が始まる前に「5分間で自分の興味のあることを紹介する」というプレゼンの練習があった。色々な職種の人がいたので色々なプレゼンがあったのだが、「調理師」の資格を持った人のプレゼンがとても印象的だった。内容は「調理するときの衛生面について」だったが、なかでも「100℃でも死なない菌がある」(大半は殺菌できるらしい)というのは全く知らなかった。
自分でも簡単な料理をすることはあり、一応、衛生面には気をつけているが、さすがに「何度でどの菌が殺菌できるか」は知らない。自宅で自己責任ならしょうがないが、「お客に提供する」となったら話は別だと思う。
食中毒が出てから「知りませんでした」ではお話にならない。だからこそ資格としての「調理師」というものがあるのだと思う。
「美味しい料理が作れる」だけではダメなのだ。

IT関連も色々な資格があるが、どうも「経験重視」な傾向が強い。よく聞く話が「資格はあるが経験がないから採用を見送った」などだ。確かに「資格のための勉強」と「実際の現場」は違うかもしれない。設定ファイル、環境、考え方、と色々な知っておかなければならない情報はあるが、技術のベースとなる知識が抜けていたら、「もしもの時の対処」や「応用したやり方で効率化すること」などは、なかなかできないだろうと思う。
「いやいや、そんなことはない。現場で苦労しながら叩き上げた技術があれば、どんな状況でもなんとかなる」と根性論を持っている人もいるだろう。(根性は大切だが)

よっぽどのことがない限り、なかなか食中毒は出ないかも知れないが、よっぽどのことがない限り、障害も発生しないと思う。どちらも同じで、それなりに経験があるなら「なんとかなってしまう」のだ。だから「経験重視」の考え方になりがちだと思うが、プロとしてやるのであれば「よっぽどのこと」が発生しないように、知識が必要だと思うのだ。
緊急事態が発生する前に、習得した知識で回避できた方が、費用も時間も無駄にならない。知識は重要だ。

だからといって「知識重視」へ傾くということではなく、偏っている「経験重視」の傾向が、その天秤が釣り合う所へ向かってくれたらいいと思い、それで発展できれば理想的だと思う。
「経験より知識」と「知識より経験」の議論ではく、自分が思うのは「どちらも重要である」と言うことだ。
これを忘れず、頑張っていきたい。

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